「いただきます」とは、食事の前に手を合わせて唱える日本独自の挨拶で、食材の命や、食事に関わったすべての人への感謝を表す言葉です。 英語に直訳できるぴったりの言葉がなく、海外から「日本で最も美しい習慣のひとつ」と評されることもあります。
なぜ「いただく」と言うのか?
「いただく」の語源は「頂く」。頭の上に捧げるように受け取る、という意味です。食べ物が「命」であるという認識から、その命を「いただく」ことで自分の体が生かされていると考えた日本人は、食事のたびに感謝を言葉にしたのです。
「いただきます」には3つの感謝がある
- 食材の命への感謝:目の前の食事は、かつて生きていたもの
- 作ってくれた人への感謝:一食の食事が届くまでに数えきれないほどの人の手がかかっている
- 自然の恵みへの感謝:太陽の光、雨の水、土の栄養がなければ食材は育たない
「ごちそうさま」にも深い意味がある
「御馳走様」の「馳走」とは「走り回る」という意味です。お客さまをもてなすために食材を集めて走り回った苦労に対して「ありがとうございます」と感謝を伝える言葉なのです。
世界が注目する日本の食文化
2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたとき、注目されたのは味だけではありませんでした。食材への敬意、季節を大切にする心、そして「いただきます」に象徴される感謝の精神が評価されました。
よくある質問
Q.「いただきます」は英語でなんと言う?
ぴったりの翻訳はありません。「Let's eat」や「Bon appétit」に近いですが、命への感謝という意味は含まれていません。
Q.「いただきます」はいつから始まった習慣?
明確な起源は不明ですが、仏教の「食事五観の偈(しょくじごかんのげ)」という食前の祈りが一般に広まったとされています。
Q.「ごちそうさま」の「馳走」は本当に走り回るという意味?
はい。江戸時代以前、お客さまをもてなすために食材をあちこち探し回ることを「馳走する」と言いました。

